ひまわりの花を咲かそう(石巻編)

2013年07月30日 13:37

大きく咲いたひまわり
今年も大きく咲いたひまわりの花。
このひまわりは、宮城県石巻市立大川小学校のそばで、わが子をなくしたお母さんたちが植えたひまわりです。お手紙で「時間があったら見にきてくださいね」と言っていただいたので、ひまわりに会いに行ってきました。まだ梅雨明けしていない石巻でしたが、大雨の中でもひまわりはしっかりと、そして大きく咲いていました。

大川小学校そばのひまわり


北上川沿岸の築堤工事のためか、大きなトラックの車両が行き交う場所に小さな小学校はありました。子供たちが喜びそうなかわいらしいデザインの校舎。それが見るも無残な状態になってしまっていました。ロープが張られ、関係者以外立ち入り禁止の札。その横には、犠牲になった子供たちの御霊を慰めるために慰霊碑があり、絶え間なくお線香の煙が上がっていました。
いっしょに行った二名と、きっと来てくれていたであろう好子さんとともにお参りをさせていただきました。
平日でしかも大雨の中、訪れたのは私たちだけではなく、常に1~2台の車がやってきては慰霊碑に祈りを捧げていました。
不意に声をかけてくださった初老の男性。
「私は埼玉から来ましたが、五十数年前にこの小学校を卒業したんです。震災後、初めて来たんですが、いたたまれない気持ちです」
同級生も7名、犠牲になられたそうです。


被災地の復旧・復興はもちろんのことですが、被害に遭われた方々、そして大切なご家族を亡くされた皆様のお気持ちが少しずつでも癒され、物だけではない心の復興を改めて願うばかりです。


ここに植えられたひまわりのことは、「ひまわりのおか」(岩崎書店)という題で絵本になっています。



<番外編・復興商店街>
現在、岩手、宮城、福島の被災地には30箇所以上の復興商店街と呼ばれる仮設店舗があり、今回、宮城県内の被災地を巡りながら、石巻市の石巻まちなか復興マルシェ、名取市の閖上(ゆりあげ)さいかい市場にも立ち寄ってきました。

石巻まちなか復興マルシェ
石巻まちなか復興マルシェでは、地元の特産品や野菜などを扱う店や飲食店などの仮設店舗が数件営業していました。
奥に見えるのは、再開を果たした石ノ森萬画館。
2011年秋に石巻を訪れた時には、まだこのような仮設店舗はもちろんなく、石ノ森萬画館の入口もベニア板で打ち付けられた状態。道路には漁船数隻が打ち上げられており、砂塵が舞う中、点かない信号の横でおまわりさんが手信号で車両を誘導していました。

復興マルシェの中で、宮城県出身の漫画家・石ノ森章太郎先生のキャラクターがお出迎え。



閖上さいかい市場
ここは、名取市にある閖上(ゆりあげ)さいかい市場。ここには、特産品や飲食店の他、写真館やクリーニング店、花屋など生活に密着した店舗もあり、時折、観光バスなども横付けされていました。
若草寿司のイワシ丼
海のすぐそばの閖上地区にあったお寿司屋さん。店舗はすべて流されてしまったそうです。お寿司を握るご主人が、「こうやって命があるだけでありがたい」とおっしゃっていたのが印象的でした。鮮度バツグンの鰯で作る丼ランチがこれだけいろいろ付いて900円。
元祖ゆりあげ水餃子
ゆりあげ港朝市で人気だった豊華の元祖ゆりあげ水餃子。今はここ、閖上さいかい市場の仮設店舗で営業しています。満州出身のおかあさんが作る水餃子は絶品で朝市では、こうやってキムチと一緒に出していたそうです。


食事をしたり、買い物をすることで少しでも復興のお役に立つのではないかと今回は復興商店街2箇所に立ち寄りました。
岩手、宮城、福島に行かれる機会がございましたら、ぜひ復興商店街にも足を運んでください。